空蝉の光 -桜花乱舞-



お父さんはそれを迷うことなく、食べた。



「美味いな」



お父さんが笑みを浮かべると、お母さんも笑う。



子供の前でいちゃつかないでよ…。



まあ、慣れたけど…。



私は溜息を吐くと、お茶を湯飲みに注いだ。



「はい、お父さん」



「おう、ありがとう」



お父さんにお茶を手渡すと、お母さんの分を入れようとした。