空蝉の光 -桜花乱舞-



「ありがとう、桜」



お母さんは柔らかい笑みを浮かべると、匙でお粥を食べた。



「どう?」



「美味しい」



私は小さく拳を握った。



料理上手のお母さんに料理のことで褒められると、凄く嬉しい。



「今日は鮭粥か。美味そうだな」



「歳三さんも食べますか?」



そう言って、お母さんはお粥を一口掬うと、お父さんの口の前に差し出した。