空蝉の光 -桜花乱舞-



「弟くんを辛くさせないために無理に強がってたんでしょ?」



「違っ…」



「違くないよ。だったら、何で、身体が震えてるの?」



二人からはそう遠くない場所に身を隠しているせいか、会話が自然と耳に入って来る。



でも、二人は俺の姿に気付いていない。



「泣きたいなら、泣きな?」



すると、桜はアイツの胸で泣き始めた。