空蝉の光 -桜花乱舞-



俺は額に手を当て、その場にしゃがんだ。



自分でも分かる程、顔が熱い。



今まで何人かの女の子と付き合って来たけど、こんなにも俺の心を掻き乱したのは桜ちゃんだけだ。



「まったく、あの笑顔は反則だよ…」



暗くなり始めた空の下、俺はその場にしゃがみ込み、一人の女の子を想っていた――。