「暗くなって来たから、今日はもう帰りな?」 俺は絡めていた小指を離すと、宿の方に歩き出した。 「一哉君!」 「何?」 俺は名前を呼ばれ、彼女の方を振り返った。 「またね!」 桜ちゃんは満面の笑みを浮かべ、俺に向かって手を振ると、歩き出した。