「母さんは…っ!?」 「一命は取り留めましたよ」 開けられた襖の間から静かに眠るお母さんとお母さんの手を握り、頬に当てるお父さんの姿が見えた。 お母さんが一命を取り留めたと聞いた誠は火がついたように再び泣き出す。 新も顔を手で覆っていた。 「良かった…」 私も安心したように息を吐いた。 「それじゃあ、俺は帰るね」 「途中まで送るよ」 私は泣いている誠を新に預け、一哉君を途中まで送りに出た。