私は誠の背中を撫でながら、一哉君達が出て来るのを待っていた。 「大丈夫か、桜」 「恭介…。うん、大丈夫」 本当は大丈夫じゃない。 お母さんが死んじゃったら…、って想像をしてしまう。 でも、此処で私が不安がったら、誠を余計に辛くさせてしまうからその不安を表に出さないようにした。 すると、部屋の襖が開いた。