「それに、あの人は何でも独りで抱え込んでしまう。だから、傍にいて、支えてあげたいって思ってたら、いつの間にか好きになってたのよ」 お母さんは昔を懐かしむように目を細め、小さく笑った。 お父さんとお母さんが生きていた時代は動乱の幕末。 いつ死ぬか分からない時代で生きて来た。 その中で両親が恋に落ちて、私達が生まれたのは奇跡としか言えないと思う。