「わっ!?…っと」 あまりの突然のことに驚いた私は持っていた洗濯物を落としそうになった。 でも、ギリギリの所で地面に付くことを防いだ。 「い、いきなり、横に立たないでよ、お母さん!!」 「ごめんね。それより、『一哉君』って誰なの?もしかして…」 「うん…、例の明治政府の要人の息子のことだよ」 私はバツが悪くなり、お母さんから視線を外した。 すると、お母さんは小さく溜息を吐くと、残りの洗濯物を干し始めた。