空蝉の光 -桜花乱舞-



「桜ちゃん」



ふと一哉君に呼ばれて振り返った。



すると、口の中に何か放り込まれる。



「???」



一瞬変なモノかと思った。



でも、舌の上を転がったモノは甘く、丸かった。


これって…。



「飴…?」



「当たり。街案内をしてくれたお礼だよ」



そう言って、一哉君は自分の口にも飴玉を入れた。