空蝉の光 -桜花乱舞-



「ちょっとこの子、借りるね」



そう言って、一哉君は私の手を引いて、店を出た。



「ちょっ…、待って!何なの、いきなり!?」



私は掴まれている手を振り払おうとしたけど、しっかり掴まれていて振り払えない。



すると、一哉君は足を止めた。



「街、案内してよ」



「はあっ!?」



街を案内しろとか意味が分かんないんだけど!?