空蝉の光 -桜花乱舞-



「じゃあ、飴玉を一袋」


「まいど」



私は棚から飴玉の袋を取り、彼に手渡した。



すると、急にその手を掴まれた。



「んぎゃあ!?」



あまりの突然のことに私は奇声を発してしまう。



「どうした、桜!?」



「桜!」



私の奇声を聞き付け、恭介と世梨が慌てて店飛び出して来た。



そして、一哉君の姿を見つけると、顔をしかめた。
「あんたは…」



「君も久し振りだね。そっちの子は初めましてかな?」



彼は人見知りしないらしく、初対面の世梨にも人懐っこい笑みを浮かべていた。



つか、私の手を離して…。