「大丈夫だよ。今のところだけど」 私の返答に世梨は安心したように肩を落とす。 「すみませ~ん!」 すると、店先の方からお客さんの声がした。 「悪い、桜!出てくれ!今、手が離せないんだ」 今日は恭介の両親は不在のため、店番をする人がいない。 しょうがない、私が出るか…。 私はゆっくり立ち上がると、店先の暖簾をくぐった。