空蝉の光 -桜花乱舞-

【桜】



その翌日。



私は世梨と一緒に恭介の家に来ていた。


新作のお菓子が出来たから、試食してくれと言われたからだ。



「えぇ!?回し蹴りを食らわせたのが、明治政府の要人の息子!?それで、桜ちゃんは大丈夫だったの!?」



世梨は身を乗り出して、私の肩を掴んで来た。



まあ、大丈夫だから此処にいるんだけどね…。



私は恭介が新作のお菓子を取りに行っている間、世梨に一哉君のことを話していた。