空蝉の光 -桜花乱舞-



「直哉。悪いけど、彼女の身の上について調べて。くれぐれも周りに悟られないように」



俺が動くには少々目立ちすぎる。



だったら、直哉に行かせるのが最良だ。



直哉は口は悪く、頭が悪いが、人の思考を読むのが上手く、隠密活動に秀でている。



だから、こういうことは直哉に一任するのが一番だ。



「分かった」



直哉はコクリと頷くと、その場から走り去った。