空蝉の光 -桜花乱舞-

【一哉】



「面白い子だな…」



桜ちゃんと別れた俺は不思議と気分が良かった。



彼女は俺に初めて回し蹴りを食らわせた女の子。



あの時は驚いたけど、俺にそんなことをしてくる女の子なんてそうはいない。



また会ってみたいと思っていたら、数日前に会った。



俺は彼女のことがもっと知りたくて自分から名乗った。



けど、彼女の名前は分からなかった。



最初は見ず知らずの人に名乗りたくないだけだと思っていた。



でも、その理由は今日明らかになった。