空蝉の光 -桜花乱舞-



「お母さん!」



やっぱり、千里君のお母さんだ。



彼が千里君を下に降ろしてあげると、千里君は一目散にお母さんの所に走って行った。



「息子を送り届けてくださり、ありがとうございました」



千里君のお母さんは頭を何回も下げると、千里君の手を引いて去って行った。



ふと彼と視線が合った。



お礼言っておいた方が良いよね…。