「あんたは昨日の!?」



そう、その声の主は昨日、私が回し蹴りを食らわせた男だった。



私は驚いて、つい、男を指差す。



「覚えてたんだ。っていうより、昨日のことだし、忘れないよね」



私が回し蹴りを食らわせた男は口元に手を当て、くくっと笑っていた。



何か、ムカつくな、この男…。



「おい、桜」



恭介は小声で私を呼ぶと、私の肩を叩いた。



私もそれに答えるように、視線を恭介に向けた。



すると、恭介は私の肩に腕を乗せると、後ろを向かされた。