翌日。 私は一哉君と家族で、毎年見に行っている桜の木の所に来ていた。 今日の昼には彼は東京に帰ってしまう。 だから、帰る前に一緒に此処に来たかった。 「綺麗に咲いてるね」 「うん」 桜は少し早かったのか満開とは言えなかった。 でも、綺麗だった。 私はじっと桜の木を見つめていると、急に涙が込み上げて来た。