空蝉の光 -桜花乱舞-



でも、彼は揺るぎない眼差しで父親を見つめている。



そして、私の手を強く握りしめた。



「そんなこと分かってるよ。だったら、彼女もその家族も俺が守る」



彼はすべてを捨ててまで、私や私の家族を守ろうとしてくれている。



私は涙が出そうになったけどそれを堪え、一哉君の手を握り返した。