空蝉の光 -桜花乱舞-



「ん…っ」



私はゆっくり目を開けた。



室内には朝日で照らされ、すっかり明るくなっている。



ふと素肌に感じる温もりに視線を移した。



そこにはまだ眠っている愛しい彼がいる。



どうやら、私は彼の腕の中で眠ってしまったらしい。



すると、一哉君はゆっくりと目を開けた。



「おはよう、一哉君」



「ん…?おはよう、桜」



目を覚ました彼はまだ眠気が完全に覚めた訳じゃないらしい。