空蝉の光 -桜花乱舞-



「き、きせ――、ひゃっ!?」



その抗議を遮るように、彼は私の首筋に口づける。



へ、変な声出たぁ!?



私はつい、真っ赤になってしまう。



すると、一哉君は肩を震わせ、笑っていた。



「冗談だよ、冗談。桜ちゃん、焦りすぎ…っ」



そう言って、一哉君は私の上から退けようとした。



でも、私は瞬時に身体を起こし、その彼の服の端を掴んだ。


「どうしたの、桜ちゃん?」



もしかしたら、彼とはもう二度と会えないかもしれない。



だったら、最後くらい…。