空蝉の光 -桜花乱舞-



薄暗い部屋に月明かりが差し込んでいる。



そんな部屋の真ん中に人影があった。



「桜ちゃん」



間違いない、この声は…。



「一哉君…?」



月明かりで照らされた彼の顔を照らした。



そこには優しい笑みを浮かべた一哉君がいた。



彼に会えたことに涙が溢れて来る。



「一哉君…ッ!」



私は目の前にいる愛しい彼の胸に飛び込んだ。




一哉君は私を抱き留めると、その腕で強く抱きしめてくれる。