返事はすぐに届いた。 明日の晩、どうにか一哉君を宿から抜けさせて、くれると文には書いてあった。 「良かった…」 これで彼に会える…。 私はそれが嬉しくて、涙が出て来た。 この時、私はお父さんとお母さんが部屋の様子を窺っていることに気付いていなかった。 そして、二人がどういう会話をしていたのかも――。