空蝉の光 -桜花乱舞-



「ごめんくださーい!」



すると、玄関の方から声がした。



お客さんかな…?



私はお客さんを待たせる訳にはいかないと、急いで玄関に向かった。



そして、玄関にいたのは飛脚だった。



「えーと、土方桜さんに文です」



私が文を受け取ると、飛脚は頭を下げ、出て行った。



「文か?誰からだ?」



いつの間にか私の後ろにはお父さん達が立っていた。



私はそれに驚きつつも、文を裏返し、差出人を見た。



そこには『水科直哉』と綺麗な字で書かれていた。