空蝉の光 -桜花乱舞-

【一哉】



俺は座敷には入らず、襖の影から桜ちゃんの様子を見ていた。



桜ちゃんは艶のある髪を結い上げ、さっきまでとは違う薄紫色の着物を着ていた。



「大丈夫かな…、桜ちゃん」



結構ガサツな性格をしている彼女が舞いを踊れるなんて意外で、少し心配だった。



すると、桜ちゃんが舞いを踊り始めた。