空蝉の光 -桜花乱舞-



衣装部屋に入ると、舞いを踊るための着物に着替えた。



髪を結われ、化粧も直される。



「あの人、桜ちゃんの恋人?」



私は自分の顔が赤くなるのを自覚しながら、女将さんの問いに頷いた。



女将さんはクスクスと笑いながら、私に扇を渡して来た。



私はそれを受け取ると、お座敷に出た。