空蝉の光 -桜花乱舞-



「今日、舞いを踊ることになっていた子が体調崩しちゃって…。良かったら、踊ってくれないかしら?」



「良いですよ、別に」



「桜ちゃん!?」



一哉君は私の返答に驚いていた。



「大丈夫だよ」



私は彼に小さく笑いかけると手を引き、料亭の中に入った。



「桜ちゃん!こっち来て、早く着替えて!」



「はい!じゃあ、一哉君、ちょっと待ってて」



私は一哉君をその場に残し、女将さんについて行った。