空蝉の光 -桜花乱舞-



「似てる…」



私は髪についている髪飾りに触れた。



「何に?」



「これ、お母さんがお父さんに求婚された時にもらった簪に似てるの」



お母さんがいつもつけている浅葱色のガラス玉がついていて、白の紐と桜の飾りがついた簪。



それはお父さんからもらった大切な物だとお母さんは言っていた。



私も欲しいと思ったことがある。