空蝉の光 -桜花乱舞-



また彼の苦笑が聞こえた。



「か、からかわないでよ!」



「からかってないよ、俺は本気だよ。あ。あの雑貨屋、見てみようか?」



そう言って、一哉君は私の手を引き、雑貨屋さんに入った。



棚には色鮮やかな髪飾りや首飾りなどがあった。



どれも可愛かったけど、その中でも桜の飾りが付いた髪飾りが一番可愛かった。



それに、この髪飾りは…。



私はそれを手に取り、見ていた。