空蝉の光 -桜花乱舞-



「う、うん!」



「なら、良かった」



私は世梨に笑みを向けると、回し蹴りを食らわせた男を見た。



「大丈夫かよ、兄貴!?」



「一応ね」



男はもう一人の男に支えられ、身体を起こした。



顔に思い切り回し蹴りを食らわせたせいか、彼の唇の端からは血が出ている。