「良いのか?お前は一哉とかいう男が好きなんだろ?それに、急に婚約が決まるなんて、俺も涼も納得してない」 お父さんは眉間にシワを寄せると、着物の袖に手を突っ込み、小さく息を吐いた。 確かに私は一哉君が好き。 彼とこれ以上一緒にいたら、いつお父さん達のことがバレるか分からない。 だったら、たとえ恭介に縛られることになったとしても、私は家族の幸せを選ぶ。