俺はそんな直也から視線を外し、空を見上げた。 「水科様、お客様がいらっしゃってます」 すると、襖の向こうから宿の女将の声がした。 客…? 俺は疑問に思いながらも下の階に降り、客に会った。 そこにいたのは、桜ちゃんの幼なじみ――、世梨ちゃんだった。