私は恭介を睨みつけた。 「憎んで良いよ。俺はお前が手に入れば良いんだからな。じゃあ、明日、『紫苑』って料亭で待ってる」 恭介は私の頭を撫でると、上機嫌で去って行った。 私はその場に膝をついた。 「もう嫌…」 もう何もかも嫌になった。 自己中心的な恭介も…、それに従う私自身も…。 すると、地についた私の手の甲に涙が落ちた。