「待ってよ、桜ちゃん」



突然彼に手を掴まれた。



「離してよ、一哉君…」



「やだよ。ねぇ、何であの時、甘味屋に来なかったの?」



一哉君は私の目をまっすぐ見つめて来た。



私をそんな目で見ないで…。



そんな目で見られたら、本当のことを話してしまいそうになる。