-愛果-

祐里ちゃんと話をしているといつのまにか校門の前。

私が通っている学校は"私立悠史ヶ原高校"と言う。
あ。ちなみに共学だよ。

なぜか学校のルールで礼をして学校に入らなきゃいけない。

教室に向かっていると人の視線が熱く感じる。


すべて祐里ちゃんに向けられているものだけどね。

そんな祐里ちゃんが気の毒だなー。

「祐里ちゃん大変だね。朝からいろんな人から見られて。」

「はぁー。うん。だよねー。(実際見られてるのは愛果だけど…)」




祐里ちゃんが1-5の教室のドアを開ける。

「おっはよーー!!」「皆。おはよう!」


クラスの皆に挨拶をして微笑むと男子の顔が赤くなった。

今日だけじゃない。
毎日…


「皆大丈夫?保健室行ったほうがいいよ。」

私が言うと、

「じゃあさー。お言葉に甘えて田嶋さん。保健室ついてきてきてない?」

とクラスのムードメーカー深見隆聖(フカミリュウセイ)君が言ってきた。

「うん。じゃあいこ。深見君。」

「はいはーい。すとおぉぉぉーっぷ!!ダメダメ。こんな純粋な子を隆聖に触らせちゃいけませーん!」

親友2号の岡澤雄大(オカザワユウダイ)が言った。

「え?保健室行かなきゃ!深見君体調悪いんだよ?雄大。見過ごせないよー。」

「おけーおけー!愛果は気にしなくていいの♬」

祐里ちゃんに半ば強引に席に座らされた。