「でもさ、社長の孫なんてすごいじゃんっ!」 「…別に、すごないわ。」 透が、無愛想に呟く。 「ひょっとして、透って跡取り息子?」 あははと、笑った。 機嫌の悪い透に明るく振る舞おうとしたのか、それともこの家の雰囲気にアガっていたのか、自分でもハッキリとはわからないけれど、 とにかく、少し調子に乗っていたんだ。 透の気持ちにも気付かずに、ペラペラと言葉を続ける。 「そういえば…! ご両親は?お仕事?」 「……」 「あ、海外勤務とか?」 「…よ」 「え?」 「おらんよ。」