次の日の朝目覚めると、私は純白のベッドの上にいた。

「…そっかぁ、私デーテに引き取られたんだ。」

その時ドアを叩く音がした。

「おはよう。朝食の準備が出来たわよ。」

「はい、今行きます。」

リビングへ入ると、テーブルの上に朝食が綺麗に並んでいた。
フランスパンにベーコンエッグにフルーツの盛り合わせ。

「スープもあるからね。たくさん食べて。」

私の母は朝に弱く、小さい頃から朝食は作ってもらった事はない。
物心がついた頃から朝は一人で飴を舐めたりして空腹をしのぐ事が当たり前だった。
そのせいかせっかくの朝食を胃が全く受け付けない。
私は咄嗟にこう思った。
せっかく作ったご飯を残したりでもしたら怒られる…。
私は必死でフランスパンを口の中へ押し込む。
すると…。

「亜夕ちゃん、無理して食べなくてもいいのよ？」

「えっ、でも、せっかく作ってくれたのに…。」

「残ったらまた後でお腹がすいた時に食べたらいいじゃない。」

その時、私の脳裏にふと母の言った台詞が浮かぶ。

「せっかくママが作ったのに食べないならもう捨てる！もう絶対あんたのためにご飯作ったりしないからね。」