急に、体中の力が抜けていくのを感じた。
まりあに言われた手前、どうやって連絡しようかと、
緊張しながら考えていたからだ。
「どこ行ってたの？」
「実家……あと、仕事」
まあ、そうだろうな。
予想通りだったか……。
「許してくださいって？」
「うん。
姉ちゃんから、連絡があった。
とにかく謝れって」
この、シスコン野郎……。
結局あたしたちは、まりあがいなきゃ自分の恋の落とし前さえ、つけられないのか。
情けない。
ため息をつくと、太一は話し始めた。
「ごめんな。
清良は、姉ちゃんのこと考えてくれただけだよな。
ムキになって、ごめん」
「…………」
「でも、その後の言葉がグサーッときてさ……
それは清良に、謝って欲しい」
「はああ？？」
その後？
謝って欲しい？
あたし、何言ったっけ？
「普通の人と、結婚してやるって。
冗談でも、言って欲しくなかった」
太一は低い声で、ぼそぼそと言った。
それで、あたしの反抗期は終わっていく。
