わかったなんて、嘘だよ。
あなたは絶対、わかってない。
なにひとつ、わかってない。
あなたの言葉一つで、あたしが一喜一憂して、
舞い上がったり、地にめりこんだりしてることも。
あたしがどれだけ、あなたが大好きなのかも。
少女の頃からの、変わらない憧れを抱き続けている事も。
でも、あたしだってわかってなかったから、引き分けだね。
あなたが、そんなふうに思っていてくれたなんて。
あたしの頭を抱いたまま、瑛さんがぼそりとこぼした。
「……なあ、もうモデルはしてほしくないんだが」
「どうして?」
「だって、お前がそんな格好で、
他の男と指輪交換して、キスの真似事をするわけだろう?
そりゃ俺だって、心中穏やかではいられない」



