そういえば、そんなこと言ってたような、言ってなかったような。
「そんなの、あたしだって言ってくれなきゃわからないよ!」
「そうなんだな。
すまなかった」
「感じ悪い!」
「嬉しいくせに」
「く……っ」
瑛さんはクスクスと笑いながら、あたしに近づいた。
悔しいことに、あたしは頬が赤く染まるのを抑えられない。
だって、綺麗って言ってくれたんだもん。
「結果、適当にやってすまない。
でも模擬で、しかも知らない神に誓う言葉を、俺は持たない」
「…………」
「……俺が誓うのは……」
瑛さんのすらりと伸びた指が、あたしの手を取る。
それを持ち上げたと思うと、
彼はグローブの上から、
あたしの手の甲にキスをした。



