「俺は、本当にこういうことに疎いから。
世間がああいうことをしているのを、知らなくて……
欲しいんじゃないか、お前」
「……指輪の交換……結婚指輪のことですか?」
何故いきなりそんな発想?やっぱり瑛さんは謎だ。
あたしが聞き返すと、瑛さんはコクリとうなずいた。
「どうせ清良もしてるんだろう?
できることはしてやるから、言ってくれ。
言わなくても気づけってのは、俺に期待するだけ無駄だ」
「……身も蓋もないですね……」
「しょうがないだろう、俺はこういう人間なんだ。
頼むから、ためこむ前に言ってくれ。
頼むから、さっきみたいな……」
「?」
「……悲しい顔を、しないでほしい」
そういう瑛さんの方が、切ない顔をしていた。
……やっぱり、泣きそうなの気づかれてたんだ。



