Thanks for XX【六花の翼・番外編】



模擬挙式のあとは、お決まりの試食会。


他のスタッフは、お客様の対応に追われている。


瑛さん効果か、試食も済んでないのに、詳しい話を聞きたいというカップルもいるみたいだ。


あたしたちは二人で、控え室に戻った。



「じゃあ、着替えてきますから。

メイクも普段のものに直しますから、時間かかりますよ。

もし待つのが嫌だったら、先に帰っててください」



さっきのことが尾を引いて、思わず可愛くない言い方をしてしまった。


瑛さんは少し眉をひそめたけど、



「……いや、このあと行きたいところがある。

待ってるから、ゆっくりやってこい」



と、短く返した。



「行きたいところ?」


「俺一人では、無理だから」


「?どこですか?」



首を傾げると、瑛さんは咳払いをして。



「……指輪」



と、一言呟いた。