Thanks for XX【六花の翼・番外編】



しかし、あたしのミスは、瑛さんの容姿にうっとりしている周りには、気にならなかったらしい。


それも、どうなのよ……


ああ、本当にしんどい。


あたしの方が、早く帰りたいよ……


鼻の奥がツンと痛んだ。


泣いたって、感極まったみたいな演出になるからいいんだけど。


嫌だな、情けない。絶対泣くもんか。


あたしは、仕事中の大人なんだから……。



『では、誓いのキスを』



神父さんの言葉で、あたしは瑛さんと向かい合う。


瑛さんが、あたしのベールに優しく触れた。


……ねぇ、本当はこうして、些細なことで泣きそうなほど、不安になるの。


あなたは、あたしのこと……


本当に

好き?


結婚なんかしちゃって、後悔しない……?


二人で出した結論のはずだった。


でも、やっぱり。


浮かれてるのは、あたしだけなのかな。