しかし、あたしのミスは、瑛さんの容姿にうっとりしている周りには、気にならなかったらしい。
それも、どうなのよ……
ああ、本当にしんどい。
あたしの方が、早く帰りたいよ……
鼻の奥がツンと痛んだ。
泣いたって、感極まったみたいな演出になるからいいんだけど。
嫌だな、情けない。絶対泣くもんか。
あたしは、仕事中の大人なんだから……。
『では、誓いのキスを』
神父さんの言葉で、あたしは瑛さんと向かい合う。
瑛さんが、あたしのベールに優しく触れた。
……ねぇ、本当はこうして、些細なことで泣きそうなほど、不安になるの。
あなたは、あたしのこと……
本当に
好き?
結婚なんかしちゃって、後悔しない……?
二人で出した結論のはずだった。
でも、やっぱり。
浮かれてるのは、あたしだけなのかな。



