「だったら、帰るって連絡してくれたら良かったのに」
「うるさいなー。驚かそうとしたんだよ」
太一はむくれて、パンをがじがじと、かじった。
「……そうだったの?」
何だ、可愛いじゃん。
「うん」
太一はうつむいたまま。
「……ごめんね?」
「別にいいよ」
「どうやって帰ってきたの?高速?」
「うん。疲れたよ」
昨日までの出張先は、高速で4時間くらいの場所だ。
「早く終わったんだ?」
「うん、悪霊退治だったんだけど。
あるマンション中に霊がいるって。
物音が頻繁にしてたんだって。
でも行ってみたら、悪霊なんか、いなかった。
結局、手抜き工事が原因だったんだ。
物音は、資材がきしむ音だった」
太一はやれやれという顔をした。
簡単に理由がわからない事を、全部霊のせいにされてもねえ。
そう苦笑した。
「そっか……大変だったね」
「全然。俺、霊視しかしてないもん」
……皆さん、この会話をどう思われます?
あたしは、太一が本物の陰陽師だって知ってるし、自分も霊力があるからいいけど……。
知らない人から見たら、完全にイタイよね……。



