オルガンの音が響き、あたしと父親役の役者さんの前の扉が開く。
中にいるのは、参列者ではなく、お客様だ。
席はまあまあ埋まっている。
ホッとする間もなく、あたしはいつもと少し違うことに気づいてしまった。
お嫁さんになる人達が、あたしを見てない……!
彼女たちは先に入場した瑛さんに視線を奪われていた。
もちろん、お婿さんになる人達が一緒だから、首だけはこっちを向いてるけど。
皆さん、気づいてー!!
あの人、元忍者ですよ!!!!
新作ドレスを見てよ!
これ、都内でまだうちにしかないんだよー!!
……そんなあたしの焦りをよそに、マネージャーまで瑛さんしか見てないし。
もう!
そんな感じで、やっとあたしは瑛さんの横に着いた。
神父さんが淡々と進行していく。
讃美歌を歌って、誓いの言葉。
瑛さんが神父さんの言葉をろくに聞いてないのが、隣にいて雰囲気でわかった。



