いくら不満があったとはいえ、何年も勤めた式場だ。
愛着もあるし、うちの式場は写真館も備えているため、
自分がプランニングしたカップルが、やがて産まれたお子さんを連れて、お宮参りの写真なんかを撮りにきてくれたりするのだ。
それはすごくすごく幸せなことで、あたしはそこにやりがいを持っていたりする。
「俺が養ってやる。
一生面倒見てやるから、何も心配するな」
瑛さんはネクタイだけをとった姿で、あたしを見つめる。
その声、その台詞、その表情。
その全てに、胸がどきゅんと音を立ててしまうのだけど……
「だから違うんです~!!
何でもしますから、ねぇ瑛さん、お願いっ!!」
「ほう……何でも?」
じゃあ、何か考えておかなければ。
瑛さんが渋い顔のまま、やっと承知したのは、
説得が始まって4時間経った時だった……。



