「お前はこの式場に恩返しするつもりはないのか!!」
「そ、それは仕事で……」
「どうせ子供ができたら休むんだろ!?
復帰したって、土日休みたいとか言うんだろ!?
どうするんだよ、その間の模擬挙式のモデル……」
ハッ、とマネージャーは何かに気づいたような顔をした。
久しぶりに、嫌な予感が背中を震わせる。
マネージャーはにやりと笑って、右手を差し出した。
「安城、旦那の顔を見せろ。
写メか何か、あるだろう?」
「あ、え?どうして……」
「早く!!」
「は、はいいいっ!!」
あたしはパンツスーツのポケットからスマホを取り出し、画像ファイルを開いた。
昔より、穏やかな笑顔が増えた瑛さん。
適当に選んだ写真は、出勤前にネクタイを結んでいる姿だった。



