Thanks for XX【六花の翼・番外編】



瑛はじっと、僕の目を見つめた。


その、紫色の瞳で。



「お前にも、待っているひとがいるんじゃないか?」



……あかん。


やっぱコイツ、カンジ悪いわ。


勝手に人の思考、読むなや……。



「帰国してから、色々あったんや」


「そうだろうな」


「それが相手の幸せだと思って、手放した」



目の奥が熱くなる。


胸が締め付けられて。


喉に、何かがつまるような息苦しさを感じた。



「……皆が皆、自分らみたいに幸せになれるわけやない」


「……それは、お前が逃げてるからだ」


「僕は、お前みたいに強くないんや。

説教すんなや、ボケ」