瑛はじっと、僕の目を見つめた。
その、紫色の瞳で。
「お前にも、待っているひとがいるんじゃないか?」
……あかん。
やっぱコイツ、カンジ悪いわ。
勝手に人の思考、読むなや……。
「帰国してから、色々あったんや」
「そうだろうな」
「それが相手の幸せだと思って、手放した」
目の奥が熱くなる。
胸が締め付けられて。
喉に、何かがつまるような息苦しさを感じた。
「……皆が皆、自分らみたいに幸せになれるわけやない」
「……それは、お前が逃げてるからだ」
「僕は、お前みたいに強くないんや。
説教すんなや、ボケ」



