Thanks for XX【六花の翼・番外編】



「はれ……?らいち……?」


「誰が果物だよ。

今何時だと思ってんの?
こんな時間まで、何してたの?」


久しぶりに見た太一は、あたしをのぞき込んでいた。


不機嫌そうな、顔で。


高校生の時より背が伸びて、たくましくなった体で、あたしを起こす。


相変わらず茶色の髪に、犬みたいな丸い目。


昔から思ってたんだけど……


「お前~太一~
可愛いったら、ないなぁ~」


抱き上げられたまま、硬い髪をグシャグシャしてやる。


「はいはい、どーも」


太一は呆れた顔で、あたしをベッドまで連れていった。